リスク管理体制・コンプライアンス態勢
倫理方針
十六フィナンシャルグループおよび連結子会社は、高い企業倫理の確立と遵法精神の徹底をはかり社会からの揺るぎない信頼を確立することを目的として「倫理方針」を制定しています。
「倫理方針」は大きく分けて「当社グループの企業倫理」、「当社グループ役職員等の行動規範」の2部から構成されています。「当社グループの企業倫理」は、当社グループの経営理念を実現するために遵守すべき企業としての倫理観、価値観を明らかにしたものであり、「当社グループ役職員等の行動規範」は、企業倫理を受けて業務を行う上で私たち当社グループの役職員等が守るべき規範をまとめたものです。
当社グループの企業倫理(抜粋)
- 1. 信頼の確保
- 金融グループとしての社会的責任と公共的使命を十分認識し、自己責任に基づく健全かつ効率的な業務運営を通じて、内外社会からの揺るぎない信頼を確保します。
- 2. 法令およびルールの厳格な遵守
- 法令、社内規程および手続きならびに社会的倫理方針等内外のすべての規範を厳格に遵守し、誠実かつ公正に企業活動を遂行します。
- 3. サステナビリティの意識
- サステナビリティを意識した経営体制を構築します。
- 4. 反社会的勢力との対決
- 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力や団体とは断固として対決します。
- 5. 透明な経営
- 経営情報を公正にかつ適時適切に開示し、透明な経営に徹します。
当社グループ役職員等の行動規範(抜粋)
- 1. 法令およびルールの遵守
- 法令または業務にかかわる諸規則およびルールを遵守します。この遵守にあたっては、形式的に従うだけではなく、背景にある精神を理解し、誠実に行動します。
- 2. 公私の別
- 常に公私の別を明らかにし、職務やその地位を利用して私的な利益をはかりません。
- 3. 腐敗行為の禁止
- 国内外および直接間接を問わず、公務員等ならびに当社グループの事業に関わる全てのステークホルダーに対して、腐敗行為を行いません。
- 4. 利益相反行為の管理
- 当社グループとお客さまの間および当社グループのお客さま相互間において利害の対立や競合等によりお客さまの利益が不当に害される行為を適切に管理します。
- 5. 専ら投機的利益の追求を目的とした取引の禁止
- 有価証券等の信用取引、証拠金取引、デリバティブ取引のほか、専ら投機的利益の追求を目的として有価証券等の取引を行いません。
- 6. 情報の管理
- 業務上知り得た取引先に関する情報を正当な理由なく他に漏らしません。
業務上知り得た非公開情報をもとに、証券投資などの私的経済行為を行いません。
提供する商品およびサービスの内容について、正しく開示し説明します。 - 7. 職場の秩序
- 職場の秩序保持のため、品位ある行動、個人の人格の尊重、ハラスメントおよび差別の禁止を遵守します。
- 8. 報告、連絡および相談
- 何事によらず、いかなる状況においても、報告、連絡および相談を怠りません。
リスク管理体制・コンプライアンス態勢
当社は、リスク管理、コンプライアンスの統括部署としてグループリスク統括部を設置し、当社グループにおけるリスク管理体制およびコンプライアンス態勢の整備に努めているほか、リスク管理プロセス等に経営陣が積極的に関与し、その有効性と適切性を検証・モニタリングする体制としています。
具体的には、取締役社長を議長とするグループリスク・コンプライアンス会議を組織し、グループ内におけるリスク管理およびコンプライアンスにかかる状況を把握し、分析、評価および改善活動に関する審議または討議を行っています。また、リスク管理の状況等は取締役会へ定期的に報告しているほか、必要に応じて随時報告しており、リスク管理の適切性や実効性、コンプライアンスの態勢の状況等を審議・検証する体制となっています。
なお、内部監査部門であるグループ経営監査部が、リスク管理体制の適切性および有効性を検証し改善をはかっているほか、グループ全体のコンプライアンス態勢等につき監査を実施しています。
リスク管理体制・コンプライアンス態勢態勢図
当社は、リスク管理およびコンプライアンスをグループ経営の健全性、安全性を確保するための重要な業務と位置付け、リスク管理およびコンプライアンスにかかる方針・規程等を整備しています。また、グループ各社は、当社の方針・規程等に基づき、自社の方針・規程等を定め、適切な業務運営に努めています。
リスク管理・コンプライアンス関連の方針および規程等
リスク管理体制
リスクアペタイト・フレームワーク
当社グループでは、適切にテイクするリスクの種類と量を「リスクアペタイト」として明確化し、それを起点として経営管理やリスク管理を行う「リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)」を導入しています。
グループ経営理念における「私たちのめざす姿」の達成に向けて、RAF運営を通じた「収益・リスク・資本の最適化」をはかり、より多くの収益機会の追求とより適切なリスクコントロールを可能とすることで、経営計画・総合予算等、事業戦略の実効性を高めています。
トップリスクの認識
当社グループでは、蓋然性および影響度の観点から「今後1年以内に、事業戦略に支障をきたし収益力を低下させるなど、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるリスク事象」をトップリスクとして取締役会にて選定しています。トップリスクに対しては、あらかじめ必要な対策を講じてリスクを制御するとともに、リスクが顕在化した場合にも機動的に対応可能とする管理に努めています。
また、トップリスクについては、会議等において定期的に全社員に周知しています。
リスク事象 | リスクシナリオ |
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金利ある世界での競争激化 |
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景気後退、金融市場混乱 |
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政治・地政学リスク |
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気候変動に関するリスク |
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自然災害リスク |
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サイバー攻撃・DXの急激な進展 |
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与信関係費用増大 |
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人的・コンプライアンスリスク |
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反社会的勢力への対応および マネー・ローンダリング対策の不備 |
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システム障害 |
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コンプライアンス態勢
コンプライアンス体制
当社は、グループリスク統括部をコンプライアンスに関する統括部署とし、グループ全体のコンプライアンスの状況について管理しています。
コンプライアンスの具体的行動計画である「グループコンプライアンス・プログラム」を毎年度策定し、グループ全体の適切なコンプライアンスリスク管理を実施しています。
当社グループのコンプライアンスが適切に実践されていることの確認や「グループコンプライアンス・プログラム」の進捗状況、内部通報や腐敗行為(※1)などを含むコンプライアンスの状況についてモニタリングを行うとともに、コンプライアンス態勢について審議および指示などを行うため、グループリスク・コンプライアンス会議およびグループリスク・コンプライアンス委員会を定期的にもしくは随時開催しています。グループリスク・コンプライアンス会議の内容については取締役会へ報告し、取締役会の適切な監督がはかられる体制を整えています。
役職員等がコンプライアンス違反行為またはそのおそれのある行為を発見した際の対処方法(※2)については、コンプライアンス規程やコンプライアンスマニュアル内に明記しており、このような行為に関する事実確認・調査を行う体制を整備しています。
なお、グループ全体のコンプライアンス意識の醸成にあたっては、「倫理方針」を周知し、社外取締役を含む役員を対象とした研修、および全ての職員(短時間勤務者、派遣社員を含む)を対象とした研修または勉強会を継続的に実施しており、近時発生している企業における法令等違反行為、不正行為、腐敗行為(※1)、ハラスメント等、コンプライアンス上問題のある行為を事例として取り上げています。
(※1)贈収賄、横領、社会通念を超えた接待・贈答等の提供・受領等
(※2)コンプライアンス違反行為またはそのおそれのある行為を発見した際の対処方法(概要):
- 〔発生の報告〕発見者は、グループリスク統括部へ報告、または「内部通報制度」に基づき、担当弁護士へ通報または相談を行う。
- 〔グループ経営会議等への報告〕グループリスク統括部は、必要に応じてグループ経営会議等への報告を行う。
- 〔事実確認・調査〕グループリスク統括部は事実確認を指示または実施する。具体的手順および調査方法等は「不祥事等対応マニュアル」に従って実施する。
- 〔報告〕事実確認の結果、必要に応じて、コンプライアンス会議等への報告を行う。
- 〔是正措置および再発防止措置〕調査結果等を踏まえ、是正措置および再発防止措置について取締役会等へ報告する。
内部通報制度
当社は、内部通報制度をグループ全体の制度とし、コンプライアンス違反行為(法令等違反行為、不正行為、腐敗行為(※)、社内ルール違反行為、ハラスメント等)の早期発見や是正、防止をはかるため、当社およびグループ各社に内部通報窓口を設けています。
内部通報制度は、当社および連結子会社の全ての役員、従業員および短時間勤務者等(執行役員、従業員および短時間勤務者等については、退任または退職の後1年を経過しない者を含む。)を対象としており、通報・相談したことについての秘密は厳守されること、通報・相談したことにより不利益に扱われることは一切ないこと、通報・相談したことにより不利益に扱われるなどした場合には厳正に対処することを明示し、役職員が利用しやすいよう配慮しています。また、社内窓口だけでなく、外部の弁護士を通報・相談窓口とし、内部通報制度の充実・整備をはかっています。
内部通報制度の総責任者として、内部通報制度最高責任者を設置し、グループ全体における内部通報制度の役職員への周知に努めています。
なお、内部通報制度の内容は、社内イントラネットに掲載し広く周知しているほか、業務用スマートフォンでも閲覧できる仕組みとしています。
(※)贈収賄、横領、社会通念を超えた接待・贈答等の提供・受領等
顧客保護
当社は、当社グループ共通の「顧客保護等管理方針」を定め、グループ全体として、お客さまの保護および利便性の向上をはかるよう努めています。十六銀行および十六TT証券においては、「お客さま本位の業務運営に関する方針」を策定・公表し、お客さま本位の目線で、商品・サービスの品質のさらなる向上に取り組んでいます。
「顧客保護等管理方針」では、以下により、お客さまの保護および利便性の向上をはかることを目的としています。
- お客さまに対する商品・サービス等の適切な説明および情報提供
- お客さまからの要望・相談・問い合わせや苦情等への適切な対処
- お客さまに関する情報の適切な管理
- 外部委託業務の適切な管理
- お客さまの利益が不当に害されることのないよう利益相反の適切な管理
指定紛争解決機関
十六銀行では、以下の指定紛争解決機関と契約を締結し、中立・公正な第三者機関の関与により、裁判によらず簡便かつ迅速な紛争解決をはかる手続きである金融ADR制度に適切に対応しています。
お客さまの情報管理
当社は、お客さま情報の安全管理が最重要課題の1つであると認識しています。
グループ各社において取得したお客さまの情報については、外部への漏洩や紛失など様々なリスクを十分に認識のうえ、適切な取扱いを行うよう「情報セキュリティ管理規程」を定めるとともに、「個人情報保護方針(プライバシー・ポリシー)」を公表しています。
この規程において、情報資産保護の総責任者として情報管理最高責任者を設置し、情報資産の種類により責任部署を定め、より実効性のある情報資産の保護に努めています。
反社会的勢力の排除
当社は、当社グループ共通の「反社会的勢力に対する基本方針」を定め、グループ全体として、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは断固として対決し、関係を遮断するための態勢を整備しています。
具体的には、外部専門機関などと緊密な連携をはかるとともに、役職員への研修などにより実効性を高めています。
マネー・ローンダリング等防止の取組み
国際的なテロの脅威の高まりや、犯罪者集団、テロリストによる資金移転の広域化および国際化などがみられるなか、金融機関などにはマネー・ローンダリング、テロ資金供与および拡散金融(以下「マネー・ローンダリング等」といいます。)の防止が国際的にも強く要請されています。
当社はグループリスク統括部がグループ全体のマネー・ローンダリング等対策を統括し、グループ各社においては、マネー・ローンダリング等対策に係る責任者を役員の中から選任しています。
リスク管理態勢
マネー・ローンダリング等の防止を経営上の最重要課題と位置付け、実効性のあるリスク管理態勢を構築し、さらなる高度化をはかっていきます。
リスク評価書
直面しているマネー・ローンダリング等にかかるリスクを特定・評価し、リスクに見合った低減措置を実施するため「特定事業者作成書面等(リスク評価書)」を策定します。
役職員の研修
役職員向けの研修などを継続的に実施し、マネー・ローンダリング等対策に関する当社グループ役職員の知識・理解を深め、各部門の役割に応じた専門性・適合性の向上をはかります。
遵守状況の監査
マネー・ローンダリング等対策の遵守状況について、監査部門が独立した立場から定期的かつ必要に応じて内部監査を実施し、その監査結果を踏まえてさらなる態勢の改善に努めます。
腐敗防止への取組み
当社は、「倫理方針」のなかで、国内外および直接間接を問わず、公務員等ならびに当社グループの事業に関わる全てのステークホルダーに対する贈収賄のほか、横領、背任行為、金品または接待等利益の収受および供与などの腐敗行為の禁止を定め、腐敗行為防止に取り組んでいます。
当社は、贈収賄、横領、社会通念を超えた接待・贈答等の提供・受領等の腐敗行為を防ぐため、倫理方針を周知の上、全ての役職員を対象に腐敗行為防止に関する内容を含む研修または勉強会を継続的に実施しております。
また、第三者に対する支払いおよびその他支出について、必要に応じて社内検証を行っているほか、正確で完全な帳簿と記録を作成し、適切に保持・管理するものとしています。